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'13全日本スーパーモタード選手権 第7戦
日時● 2013年10月27日(日)
会場● 名阪スポーツランド(奈良県)
天候● 曇り時々晴れ
今季から新体制でスタートした、スーパーモタードレースの日本最高峰となる全日本スーパーモタード選手権は、いよいよシーズン最終戦を迎えた。このシリーズ戦は、日曜1DAY開催で、年間7戦の設定で行われてきた。
今大会は、複数のロードサーキットとモトクロスコースがある名阪スポーツランドの中で、全長800mのEコースに超ロングダートセクションを追加した、特設コースで行われた。天候は曇り時々晴れで、路面はドライコンディション。気温はあまり上がらず、最高気温は14度で、路面温度も低めだった。
トップクラスのS1プロは、排気量290〜450ccの4ストマシンと175〜250ccの2ストマシンが参戦可能で、タイムアタック方式の予選と決勝2レースを同じタイヤで走るというレギュレーションが採用されている。出走台数は11台。タイムアタック方式の予選をトップでクリアしたのは、すでに今季の年間タイトル獲得を決めて今大会に臨んだ佐合潔(#1)。2番手に増田智義(#4)、3番手に三苫進(#5)、4番手に金児隆太(#3)が入り、決勝フロントローに並んだ。
15周による決勝ヒート1。ホールショットを奪ったのは佐合。増田がこれに続いたが、三苫は少し出遅れ、金児(隆)が3番手。以下、三苫、谷田部高則(#7)、金児伸二(#8)、河野崇史(#18)が続いた。2周目、佐合と増田、金児(隆)と三苫、谷田部と金児(伸)が、それぞれ接近戦を展開。しかし3周目、三苫が転倒により7番手まで後退した。佐合と増田は、後続を引き離しながら僅差のトップ争いを継続。中盤には金児(隆)が単独3番手となり、この金児(隆)と大きく間隔をあけて谷田部、金児(伸)、転倒から追い上げてきた三苫が僅差の4番手争いを繰り広げた。
6周目、4番手集団の中で三苫が金児(伸)をパスして順位アップ。さらに三苫は、前を走る谷田部の攻略を試み、レースが後半に入った8周目に4番手へと浮上した。この段階でも、増田はトップ走行の佐合をマーク。金児(隆)は単独3番手をキープしていた。レース終盤、この金児(隆)に三苫がじわじわと接近。レースが残り2周となった14周目の段階で、ついに金児(隆)と三苫がテール・トゥ・ノーズとなった。一方でトップ争いも、僅差のまま最終ラップに。しかし最後まで順位は変わらず、佐合が優勝、増田が2位、金児(隆)が3位、三苫が4位でゴールした。5位には谷田部、6位には金児(伸)が入賞した。
また、この日の最終レースとなった決勝ヒート2も、予選結果順でグリッドに並び、15周により競われた。佐合が再び好スタートを決めたが、1コーナーでミスし、オープニングラップを増田、三苫、佐合、金児(隆)、谷田部、坂牧隆夫(#13)、河野の順でクリアした。2周目、佐合がダート区間で三苫を抜いて2番手に浮上。この段階で、増田は約3秒のリードを築いていたが、翌周以降に佐合が追い上げ、レースが中盤に入るころには増田と佐合による接近戦が展開された。3番手以下はトップ2台からは引き離され、三苫と金児(隆)が僅差の3番手争い、この2台と間隔をあけて谷田部と坂牧が接近戦の5番手争いを繰り広げた。
6周目、坂牧が転倒により後退して、谷田部が単独5番手に。増田と佐合、三苫と金児(隆)のドッグファイトは継続された。そしてレースが残り4周となった12周目、三苫がエンジンをストールさせる痛恨のミス。この間に金児(隆)が3番手に浮上した。トップ争いは、レース終盤になっても増田と佐合の接近戦が続けられていたが、13周目のダート区間で佐合がミスして、両者の差が拡大すると、最後は増田が佐合を引き離してトップチェッカー。今季4勝目を挙げた。2位に佐合、3位に金児(隆)、4位に三苫、5位に谷田部、6位に河野が入賞した。
排気量460cc以上の4ストマシンによるアンリミテッドと、290〜450ccの4ストマシンおよび175〜250ccの2ストマシンから成るS1が混走して競うS1オープン。20台が出走した7周によるレース形式の予選を、トップで通過したのは新井誠(#41)。2番グリッドにはランキングトップで今大会に臨んだ吉田雄一(#1)、3番グリッドには木下裕規(#4)、4番グリッドには鷲見卓郎(#37)が並んだ。吉田と15ポイント差のランキング2番手で今大会に臨んだ青木優治(#3)は、タイムアタック予選でマシントラブルが発生。エンジン換装作業を行い、予選ヒートレースを最後尾でスタートし、決勝8番手グリッドに並んだ。
12周の決勝レースでは、新井が好スタート。これを吉田が追った。鷲見はエンストを喫して、ほぼ最後尾からのレースに。1周目を、新井、吉田、木下、青木、志村祐一(#9)、増成誠二(#6)、栗本志能武(#19)、保井裕行(#75)の順でクリアした。2周目、新井と吉田は僅差のトップ争いを開始。や遅れて木下、青木、志村、増成が3番手争いを繰り広げたが、3周目には増成が少し遅れていった。レース序盤、新井は吉田をやや引き離し、4周目エンドの時点で両者の差は約3秒に。吉田から5秒ほど遅れて、木下、志村、青木が3番手争いを繰り広げた。
レースが中盤に入ると、吉田は新井との差を詰め、3番手争いでは6番手の増成と7番手の栗本が再び集団に追いつき、また志村は青木をパス。新井と吉田のトップ2から遅れ、木下、志村、青木、増成、栗本が3番手争いを繰り広げた。しかし栗本は、8周目に転倒して後退。増成も、前の3台からに離された。レース終盤、再び新井と吉田のドッグファイトが開始されたが、順位は変わらず。3番手争いでは、9周目に志村が先頭に立ち、木下、青木、増成が追った。しかし志村が、ラスト3周でスパートをかけ、木下以下を引き離した。そしてレースは12周でチェッカー。新井が今季2勝目を挙げ、吉田が2位、志村が3位、木下が4位、青木が5位、増成が6位に入賞。これにより、吉田のシリーズタイトル獲得が決定した。
S2クラスには、排気量175〜250ccの4ストロークマシンと100〜125ccの2ストロークマシンがエントリーできる。出走18台による7周の予選レースをトップでゴールしたのは、タイムアタック予選でもトップだった大西健太郎(#50)。2番グリッドにはタイムアタック5番手の濱原颯道(#47)、3番グリッドには岸田尊陽(#2)、4番グリッドには中木亮輔(#3)が並んだ。中木と10ポイント差のランキングトップで臨んだ輿水拓弥(#46)は、2列目5番グリッドからの決勝レースとなった。
12周で競われた決勝レースでは、大西が好スタート。中木は1コーナーでミスして出遅れ、1周目を大西、岸田、濱原、輿水、金子和之(#12)、中木、河野信哉(#11)の順でクリアした。2周目、トップを走る大西は早くもリードを3秒に拡大。2番手を走る岸田も、3番手以下を4秒も引き離した。3番手争いは輿水、濱原、金子、中木の順となり、接近戦が続けられたが、4周目に入ったところで濱原のマシンにトラブルが発生し、濱原はそのままリタイア。この周に中木がやや遅れ、輿水と金子は僅差のバトルを展開した。
レースが中盤に入っても、大西は独走状態。その後方では、一時は単独走行だった岸田が6周目にややタイムロスする間に、輿水と金子が追いつき、2番手争いに発展した。しかしレースが後半に入ると、岸田は再びリードを拡大。輿水と金子の接戦は続いた。残り3周となった10周目、岸田が転倒して7番手まで後退。それでも岸田は、11周目に西尾聡(#80)と河野をパスして、5番手に浮上した。岸田の転倒により、輿水と金子のバトルは2番手争いに。しかし最後まで順位が入れ替わることはなく、大西がトップチェッカーを受け、輿水が2位、金子が3位、中木が4位、岸田が5位、河野が6位でフィニッシュ。この結果、輿水がシリーズタイトルを手にした。
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